オフィスの移転やリニューアルを進める際、多くの企業が頭を悩ませるのが「内装工事」です。どれくらいの費用がかかるのか、どのような手順で進めればよいのか、そして業務への支障を最小限に抑えるにはどうしたらよいのかといった疑問が浮かびます。
そこで本記事では、オフィス内装工事を計画している担当者のために、工事の流れや相場、失敗しないためのポイントをわかりやすく解説します。また、初めての方でも安心して進められるよう、最新のデザイン事例やコストを抑える工夫も紹介します。
このページでわかること
- オフィス内装工事の基礎知識と目的
- 費用相場と項目別のコスト内訳
- 内装工事の全体的な流れと各ステップ
- コストを抑えるための実践的な方法
- 最新デザイン事例と快適なオフィス作りのコツ
オフィス内装工事とは

オフィスの内装工事は、単なる模様替えではなく、働きやすさや企業イメージに直結する重要なプロジェクトです。新しいオフィスの立ち上げや移転、リニューアルに伴って行われることが多く、設計から施工までの流れを理解しておくことが、円滑な進行には欠かせません。
特に注目すべきは、物件の状態(スケルトンか居抜きか)や工事範囲によって、かかる費用や期間が大きく変わる点です。まずは内装工事の定義と目的を押さえつつ、物件選定の段階でどんな点に目を向けるべきかを知ることが、失敗しない第一歩になります。
内装工事に必要な職人
内装工事って、実は結構幅広いです。いろんな職人さんが関わってきます。
- クロス張り
- 塗装
- 床仕上げ
- 設備設置
- 電気工事など
そのため、しっかり計画を立てておかないと、後から追加工事が必要になって、予想以上にお金がかかっちゃうこともあります。
賃貸オフィスの「原状回復義務」
原状回復とは。借りていたオフィスを出る時に、入った時と同じ状態に戻すこと
例えば、壁紙を変えていたら、最初と同じような壁紙に戻さないといけません。この原状回復には、当然お金がかかるんです。普通は、入居する時に預けた敷金を使うことが多いですが、敷金を超える範囲を請求されることが多いです。
敷金とは、本来は「家賃の保証金」のため、原状回復に使う時は、借りている人の了解が必要です。

それから、もう一つ大事なことがあります。それは、年月が経って自然に傷んだり古くなったりしたものは、原状回復の必要がないってことです。これ、結構お得な情報ですよね。
だから、入居する時にオフィスの状態を写真に撮っておくのがおすすめです。後で「これは自然に古くなっただけだ」って証明できるようにしておきましょう。
賃貸のオフィス内装工事の3つのパターン

オフィスの内装工事は、大きく分けて3つの種類があるんです。A工事、B工事、C工事です。

A工事
A工事とは、建物の骨組みや、みんなで使う場所に関係する工事のことです。
建物全体に影響があるから、普通は建物のオーナーさんやビルを管理している会社が業者を選んで、工事を頼むんです。お金もオーナーさんが払うことが多いですね。
具体的な作業内容
- ビルの外側や外壁
- エレベーター
- 共用のトイレ
- 水を流す設備
- 階段
- 屋上
- 火事から守る設備
- 災害から守る設備
B工事
B工事は、オフィスや店として使うために必要な工事を指します。
具体的な作業内容
- エアコンなどの空調設備
- 水や空気を外に出す設備
- 水が漏れないようにする設備
- 電気を分配する設備
これらの工事も建物全体の安全に関わるから、業者を選ぶのはオーナーさんなんです。でも、お金を払うのは借りる側、つまり私たちになります。
C工事
C工事は、建物本体にあまり影響のない工事のことが多いんです。B工事と違って、業者を自分たちで選べるんです。だから、いくつかの業者から見積もりをもらって、できるだけ安くすることもできます。
具体的な作業内容
- インターネットの線を引く工事
- 壁紙を新しく張り替える
- 照明器具をつける
- 電話の工事
こうやって見てみると、A工事、B工事、C工事って、建物への影響の大きさや、誰が工事を管理するかで分かれているんですね。特にB工事とC工事は、私たちがお金を払うことになるから、よく理解しておく必要があります。
オフィス内装工事に必要な手続き

賃貸契約書の確認
内装工事を始める前に、賃貸契約書に記載されている内装工事に関する規定を確認しましょう。規定に基づいて工事を進めるため、契約する前に内装工事の条件をしっかり理解しておくことが大切です。
大家さんの許可を取る
内装工事を行う前に、工事内容を詳細に説明する書類や工程表を作成し、大家さんに提出して許可を取りましょう。
工事費用の負担についても、契約書に基づいて確認し、理解しておくことが必要です。
建築確認申請の必要性を確認
建物の規模や工事内容によっては、都道府県や市町村に建築確認申請が必要となる場合があります。
特に、100平方メートル以上の「特殊建築物」で大規模な改修や用途変更を行う場合は、申請が必須となる可能性がある。
消防署との相談
消防設備の設置が必要な場合、消防法に基づき、消防署と相談して必要な手続きを行いましょう。
内装不要な賃貸オフィス一覧
オフィスを借りる時、内装工事にあまりお金や時間をかけたくない場合もありますよね。そんな時に便利なのが、セットアップオフィスや居抜き物件です。
セットアップオフィス
これは「内装付きオフィス」とも呼ばれていて、すでに内装が整っているオフィスのことです。
普通の賃貸オフィスだと、受付カウンターや仕切りなんかを自分たちで作らないといけないんですが、セットアップオフィスならそれが必要ありません。
内装工事って、デザインを考えたり、設計したり、実際に工事したりするので、数ヶ月もかかることがあるんです。お金もかかります。
しかし、セットアップオフィスなら、大家さんが先に内装工事をしてくれているので、私たちが工事費用を払う必要がないんです。これ、結構大きなメリットだと思います。
居抜き物件

居抜きとは:前に入っていた人の内装がそのまま残っているオフィスのこと
家具もそのまま使えることが多いので、すぐに仕事を始められるのがいいところです。
しかし、居抜き物件の場合、多くは、退去する時に原状回復のお金を払わないといけません。左記をはじめとしたお金周りは確認が必要です。

オフィス内装費用と相場
結論、内装工事にかかる費用は、工事の内容やオフィスの広さで変わってきます。
例えば、100坪くらいのオフィスで、今ある設備を使いながら改装するなら、1坪あたり3万円から5万円くらいかかります。それに加えて、材料や機械の費用もかかりますね。
100坪×3~5万円=300万円~500万円
パソコンを使う会社なら、LANの配線費用もかかるので、かなり高額となります。
坪単価の目安と工事項目ごとの費用
オフィス内装工事を計画する上で、費用の目安を知っておくことは欠かせません。費用は通常「坪単価」で算出され、オフィスの広さに応じて全体のコストが決まります。以下は一般的な坪単価の目安と、工事項目ごとの平均的な費用内訳です。
坪単価の目安(税抜)
- ローコスト仕様(最低限の仕上げ)
↳10万円〜15万円/坪 - スタンダード仕様(一般的な内装レベル)
↳15万円〜25万円/坪 - ハイグレード仕様(デザイン重視・高品質素材)
↳25万円〜35万円/坪
主要な工事項目とその費用相場(30坪の場合の目安)
工事項目 | 内容 | 目安費用 |
---|---|---|
設計・デザイン費 | レイアウト設計、パース作成など | 30万〜100万円 |
内装仕上工事 | 床・壁・天井の仕上げ | 150万〜300万円 |
設備工事 | 電気・空調・LAN・照明など | 100万〜250万円 |
什器・家具購入 | デスク、椅子、収納など | 50万〜150万円 |
これらの相場を基に、予算を組む際には「どこにお金をかけるべきか」「どこで削減できるか」を見極めることが大切です。特に、こだわりたいポイントがある場合は、優先順位を明確にしておくと費用調整がしやすくなります。
オフィス内装におすすめの業者
renovy(もどせるリフォーム)

REUM(賃貸でも自由に模様替え)

ペットリフォーム研究所
失敗しないオフィスデザインのポイント

オフィスの内装工事において、費用やスケジュールと並んで重要なのが「デザイン」です。
見た目が良いだけではなく、業務効率の向上や社員のモチベーションアップにもつながる空間づくりが求められます。さらに、働き方の多様化やテレワークの普及により、従来のオフィスデザインではカバーしきれない課題も増えています。
最新のデザイントレンドと事例紹介
オフィスデザインは年々進化しており、従来の「画一的なレイアウト」から、より柔軟で多様な働き方を反映した空間づくりへと移行しています。
近年のデザイントレンド
- ABW(Activity Based Working)
↳業務内容に応じて自由に働く場所を選べる空間設計 - バイオフィリックデザイン
↳自然要素を取り入れた設計で、リラックス効果や集中力を高める - フレキシブルゾーニング
↳可動式家具やパーテーションを活用した多目的スペース - 企業ブランディングの視覚化
↳企業理念やカラーを反映した内装で一体感を創出
デザインを考える際は、自社の業種や働き方に合ったスタイルを選ぶことが重要です。流行を取り入れるだけでなく、使いやすさや快適性をどう実現するかが、成功の鍵になります。
まとめ|オフィス内装工事を成功させるために
この記事では、オフィス内装工事に関する基礎知識から費用相場、工事の進め方、デザインのポイントまでを網羅的に解説しました。内装工事は金額も大きく、業務にも影響が出やすいため、事前の準備と計画が極めて重要です。
特に「どこにコストをかけるか」「どこを工夫して削減するか」を見極める力が、プロジェクトの成否を左右します。
実際に取り組む際には、まず社内の要望を整理し、信頼できる業者を選定することが第一歩です。そのうえで、見積もりの比較やスケジュールの調整、トレンドを取り入れた空間設計など、各工程を一つひとつ丁寧に進めていくことが大切です。
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