賃貸物件を借りる時、やはり快適に暮らせるかどうかが一番気になるポイントではないでしょうか。しかし、いざ住み始めてみたら、壁紙が汚れてたり、設備に不具合があったりして、「あれ?入居前に気づかなかったな」ってことも結構あります。
そんな時、入居者としてはどうしたらいいの?大家さんにはどんな義務があるの?って疑問が湧いてくるでしょう。
そこで本記事では、賃貸物件の「使用収益させる義務」と大家さんの「修繕義務」について詳しくまとめました。
大家さんは壁紙を張り替えてくれるのか
新居に引っ越した時に、壁紙が汚かったり、自分の好みじゃなかったりすると、ちょっとがっかりしちゃうと思います。
そんな時、大家さんに壁紙の張り替えをお願いできるのかなといった観点で、お願いする時の流れや注意点を見ていきましょう。
壁紙の張り替えをお願いする流れ
まずは汚れの状態をしっかり確認しましょう。大きさや種類など、具体的にチェックして、写真で記録しておくのがポイントです。
次に、大家さんに正式に相談してみましょう。
汚れの状態を詳しく伝えて、「張り替えが必要だ」ってアピールするのがコツです。
大家さんからの返事を待って、張り替えが可能なのか、どんな対応をしてくれるのかを確認しましょう。
張り替えをお願いの際の注意点
- 大家さんの方針
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張り替えをするかどうかは、大家さんの方針次第です。
でも、入居者が快適に暮らせるようにするのが大家さんの役目だから、合理的な要望なら応じてくれることが多いです。
- 交渉の進め方
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お願いする時は、丁寧に、そして具体的に伝えるのがスムーズな交渉のコツです。
つまり、入居前の壁紙の張り替えは、基本的に大家さんとの交渉次第になります。
汚れがひどかったり、傷がついてる場合は、大家さんも張り替えに応じてくれる可能性が高いです。しかし、柄が好みじゃないとか、そういう好みの問題だと、ちょっと難しいかも。まずは、思い切って大家さんに相談してみるのが良いでしょう。
壁紙の汚れによる張り替えの交渉
壁紙の汚れで張り替えをお願いする時、大家さんが要望を聞き入れてくれるかどうかは、その汚れが生活に重大な影響を与えるかどうかがポイントです。実は、民法によると、大家さんには入居者が快適に暮らせる環境を用意する義務があります。
つまり、もし壁紙からヤバい悪臭やチクチクする刺激臭がして、生活に支障が出るようだったら、大家さんは修繕しないとダメってことです。
しかし、壁紙の汚れが生活に全然影響ない程度の場合、大家さんが張り替えに応じる義務はありません。前の入居者から修繕費をもらってたとしても、それは大家さんと前の入居者の問題であって、新しい入居者からは張り替えを強制できないよ。
壁紙が汚れている場合の解決策
方法 | 内容 |
---|---|
契約前の交渉 | 契約する前に、壁紙の汚れが気になるなら、早めに大家さんに相談するのが大事です。「壁紙を張り替えてくれたら入居を検討するよ」って提案すれば、大家さんも対応を考えてくれるかもしれません。 |
家賃の交渉 | 汚れが生活に影響はありませんが、かなりひどい場合は、「じゃあ、家賃を下げてよ」って交渉してみるのもアリです。 |
自費での修繕 | 自分でお金を出して修繕することを大家さんに提案するのも手です。部屋をキレイにすることで、大家さんがOKしてくれるかもしれません。 |
壁紙が汚れている場合、上記のようなやり方を試して解決を試みてみましょう。
汚れを発見した時の注意点
- 契約時の記録
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壁紙の汚れをそのままにして契約する時は、退去する時に「原状回復費用を払え!」って不当に請求されないように、写真や動画で汚れの状態を記録しておきましょう。
あと、「現況確認書」っていう入居時のチェックリストに、汚れの状態をちゃんと書いておくのを忘れずにしてください。
結局、壁紙の張り替えに関しては、大家さんの判断がかなり大きいです。そのため、柔軟に、積極的に交渉することが大切になります。
大家さんの法律上の義務
賃貸物件を借りる時に知っておきたい法律用語に、「使用収益させる義務」ってのがあります。大家さんは入居者に物件を貸す時、法律で決められたルールに従って貸す義務のことだよ。
使用収益させる義務:賃貸物を賃貸借契約の目的が達成できるように適切に使用収益させる義務
民法上の規定
■民法第601条
賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる。■民法第606条
民法 – e-Gov法令検索
賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。
賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は、これを拒むことができない
民法第601条では、使用収益させる義務について書かれています。これは、大家さんが賃貸物件を入居者に貸す時、入居者がその物件を問題なく使えて、利益を得られるようにする義務のことを指します。
それに加えて、大家さんには物件をちゃんとした状態に保つための修繕義務もあって、これは民法第606条で決められています。
特に、水回りのトラブルとか、生活に直接影響が出る不具合が起きた時は、大家さんは早急に修繕しないとダメです。
法律上の例外
一方で、壁紙の汚れみたいに、生活に直接的な支障をきたさない問題は、必ずしも「使用収益させる義務」に反するとは限りません。ただし、その汚れがメチャクチャ臭かったり、虫が湧いてきたりして、入居者の日常生活にかなりの悪影響を及ぼす場合は、修繕の対象になる可能性がありません。
こんな風に、「使用収益させる義務」と修繕義務っていうのは、賃貸契約で入居者と大家さん、両方にとってすごく大事な法律的な考え方です。
賃貸物件を選ぶ時や、物件に何か問題が起きた時には、こういった法律用語を知っておくと、どう対応すればいいのかの目安になります。
入居中に壁紙を張り替える方法
renovyでは、「原状回復できる」リフォームをご提供しております。実際、床であれば原状回復できるため、賃貸物件であっても問題なくきれいに施工しております。一方、壁は難しいと言われています。なんで?と思われる方も多いかと思うので、理由をご紹介します。
- ➀ 防水加工の壁紙の登場
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2019年以降、多くの賃貸物件の壁紙には防水加工された壁紙が使用されています。その壁紙がどの接着剤ともかなり相性がわるく、強く貼りすぎるとベタベタになってしまう結果が確認されています。
- ② 防水加工用の接着剤がよわすぎる
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防水加工用の壁紙にも貼れるための接着剤は開発されつつあります。しかし、その接着剤の粘着力が強くないため、しっかりと付着するかどうかは業者側も貼らないとわからない状態です。
そのため、renovyでは、お客様に1週間お試しの壁紙をお渡しし、リスクを最小限におさえる努力はしていますが、1か月ではがれてしまうリスクもあり、保証が難しい現状です。
- ③ 張り直しができなくはない
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最悪、もとの壁紙をみておいて、その壁紙と似たものを貼りなおすこともできます。そうすることで、退去時にはあくまで元に貼ってあった綺麗な壁紙状態に仕上げることが可能です。しかし、これにもリスクが二点あります。
- 貼りなおした壁紙がきれいすぎて明らかに張り替えたのがわかる
- 元ある壁紙の品番がわからない、または特殊な柄ですでに廃版されている
解決方法
Before
After
renovyでは、このような課題を認識しつつも、上記のように施工を承っております。しかし、床に比べてリスクもあるうえに、状況次第(もとにある壁紙や防水加工のものか、管理会社/大家との関係など)でご提案が変わっている状況です。
そのため、下記より一度ご相談いただけますと幸いです。ご連絡お待ちしております。
まとめ
賃貸物件で快適に暮らすためには、「使用収益させる義務」と「修繕義務」をちゃんと理解しておくことが大切です。
大家さんには、入居者が安心して生活できる環境を用意する責任があります。特に生活に直接影響が出るような不具合が起きた時は、すぐに修繕してもらわないといけません。
しかし、壁紙の汚れみたいな軽い問題は、生活にあんまり支障がない限り、大家さんの修繕義務に当てはまらないこともあります。だから入居者は、契約する前にしっかり物件の状態をチェックして、必要だったら大家さんと交渉することが大切です。
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