「タワマンに住んだら内装が意外としょぼくてがっかり…」そんな声を耳にしたことはありませんか?外観の豪華さや立地条件に惹かれて選んだはずなのに、実際に住んでみたら「内装がチープ」「床やドアの素材が安っぽい」などの不満を感じるケースは少なくありません。
そこで本記事では、そうした“内装ガチャ”に巻き込まれないための知識と視点をわかりやすく解説していきます。
このページでわかること
- タワマンでも内装がしょぼく見える理由
- 内見時にチェックすべき内装の見抜き方
- モデルルームとの違いをどう見極めるか
- しょぼい内装でも満足度を上げる改善方法
- 内装格差やトラブルを避けるための知識
なぜ「タワマンなのに内装がしょぼい」のか?

タワマンというと、高級でラグジュアリーなイメージを抱く方が多いはずです。ところが実際に内覧してみると「意外と普通」「高級感がない」と感じるケースが少なくありません。
その理由は単に“見た目”の問題ではなく、販売戦略や建築コスト、住戸ごとの仕様の違いなど複合的な要素が絡んでいます。
高級感と現実のギャップが生まれる理由
「高級=高品質」と思い込んでしまうと、実際の内装とのギャップにがっかりすることがあります。この落差が生まれる背景には、物件の“見せ方”と“実態”の違いが関係しています。
多くのタワーマンションでは、広告やパンフレットに使われる写真がモデルルームやハイグレード住戸のものであることが一般的です。これにより、全住戸がそのクオリティであるという錯覚が生まれます。加えて、外観や共用部のラグジュアリーさが先行するため、「中も当然それなり」と思い込んでしまいやすいのです。
また、施工費を抑えるために“見た目は良いが素材が安価”という仕様が採用されることもあります。例えば、フローリングが無垢材ではなく化粧シートだったり、建具が突板ではなくプリント合板だったりするケースが該当します。これらは写真映えはしますが、実際に触れるとチープさを感じやすくなります。
期待値とのズレを減らすには、「価格帯=内装の質」ではないという視点を持ち、実物を自分の目で確認する意識が不可欠です。

モデルルームの“トリック”に騙されるな
モデルルームは、物件の魅力を最大限に伝えるために設計・演出された“ショーケース”です。そのため、実際の住戸とは異なるオプション仕様やインテリアコーディネートが施されていることが多くあります。
よくある演出例と実際との違いを整理すると、以下のようになります。
演出内容 | モデルルーム | 実際の住戸 |
---|---|---|
床・建具 | フルオプションの高級素材 | 標準仕様の化粧シートやプリント合板 |
天井高 | 開放感を出すため高めに設定 | 実際より数十cm低いことも |
照明・家具 | 間接照明やミラーで広く演出 | 実際はシンプルな設計で質素に見える |
このように、モデルルームの“見せ方”は、売主が意図的に仕掛けたマーケティング手法です。購入や契約を検討する前に、標準仕様書を確認し、展示されているものが実際の住戸とどう違うのかを明確に把握することが大切です。
住戸グレードのばらつきの背景とは?
同じマンション内でも、住戸によって内装の質感や設備仕様に差があるのはなぜでしょうか。これは“建築分譲戦略”と呼ばれる手法に関係しています。
分譲マンションでは、限られた予算の中で高価格帯の住戸(高層階・角部屋など)にはよりグレードの高い仕様を採用し、それ以外の一般住戸ではコストを抑えた仕様にすることがあります。これにより、全体として採算をとりつつも、一部の住戸では“プレミアム感”を演出することができます。
内装グレード差の背景には、以下のような構造的要因が絡んでいます。
要因 | グレード差の理由 |
---|---|
階数・方角 | 高層階や日当たりの良い住戸は価格が高く、仕様も豪華になる |
分譲タイミング | 販売時期によって仕様変更があり、後期住戸の方がコストカットされやすい |
購入者の選択 | オプションを多く選んだ住戸と標準仕様のままの住戸で差が生まれる |
このようなばらつきを前提に、「この価格帯ならどこまでの仕様が標準なのか?」を自ら見極める姿勢が重要です。周囲の住戸と比較したり、販売資料を丁寧に読み込んだりすることで、内装の“落とし穴”を回避できる可能性が高まります。

内装がしょぼい物件を見抜く内見ポイント

外観は豪華で立派なタワマンでも、実際に住戸内に入ってみると「思っていたのと違う…」とがっかりすることがあります。
こうしたギャップを避けるためには、契約前の内見が非常に重要です。
チェックすべき内装の具体的な部位
内装の質を見極めるには、単なる見た目の印象に頼らず、実際の素材や仕様を確認する必要があります。とくに以下の部位は、コスト差が表れやすいため、重点的にチェックするのが有効です。
部位 | しょぼく見える原因 | チェックポイント |
---|---|---|
床材 | 安価な化粧シートやビニル素材 | 踏んだ時の感触、木目のリアルさ |
建具(ドア・引き戸) | プリント合板で安っぽく見える | 開閉時の重厚感、木目の質感 |
キッチン | 扉が樹脂製、設備が汎用品 | 引き出しの滑らかさ、天板素材 |
洗面台・水回り | プラスチック感が強く清掃性が低い | ボウルとカウンターの素材・接合部 |
照明・スイッチ類 | 簡素な設置や配置ミスで安く見える | 埋め込み型か直付けか、調光機能の有無 |
特に床や建具は視覚的な印象を大きく左右するため、素材と質感を丁寧に確認することが失敗を避けるポイントです。
標準仕様とオプションの違いを理解する
購入前に「標準仕様」と「オプション仕様」の違いを正確に把握しておかないと、モデルルームや資料だけを信じて契約し、後で「こんなはずじゃなかった」と感じる原因になります。
以下は、よくある仕様の違いと確認ポイントの例です。
設備項目 | 標準仕様の例 | オプション仕様の例 |
---|---|---|
フローリング | シート貼り | 突板・無垢材 |
キッチン | 樹脂製天板・標準ガスコンロ | 人工大理石・IH・食洗機付き |
洗面化粧台 | 一体型ボウル・樹脂素材 | 陶器ボウル・デザイン照明付き |
オプションは金額に比例して内装の質に直結するため、モデルルームで気に入った設備が標準仕様かどうか、しっかり仕様書で確認することが重要です。

内見時の質問ポイントと確認すべき資料
内見時に「なんとなく見て終わる」だけでは、内装の質を見極めるのは困難です。質問すべき内容と、確認すべき資料を明確にしておくことで、納得のいく判断ができるようになります。
内見時に活用すべき主なチェック項目は以下の通りです。
- 標準仕様書
↳床材・建具・設備などの等級が記載されている資料 - 内装オプションリスト
↳選べるグレードアップ項目と追加料金の一覧 - 住戸別の施工写真や実物の内覧
↳モデルルームではなく、実際の住戸を必ず確認 - 売主・仲介への質問例
↳「この部屋は標準ですか?オプションはどこまで入っていますか?」
書類に記載されている仕様と、現地の仕上がりに差異がないかをその場で突き合わせながら確認すると、後悔を防ぎやすくなります。加えて、同価格帯の他物件と比較する視点も忘れずに持つと良いでしょう。
タワマンのしょぼい内装でも満足度を上げる方法

もし実際に住んでみて「内装が思ったよりチープだった」と感じたとしても、そこから生活の質を高める工夫は十分に可能です。
購入・賃貸にかかわらず、限られた空間で快適さや満足度を引き出す方法は多く存在します。
インテリアの工夫で印象を劇的に改善
内装の印象は、実はインテリアの選び方次第で大きく変えることができます。
素材や配置、色使いなどに少し工夫を加えるだけで、「しょぼく見える部屋」を「洗練された空間」に演出することが可能です。
- ラグやカーテンで素材感を補う
↳床や壁の安っぽさは布素材で“柔らかさ”をプラスすることで中和できる - 間接照明で立体感を出す
↳照明を分散させると空間に奥行きが出て高級感を演出できる - 統一感のある色味でまとめる
↳家具や小物の色を揃えると、視覚的に整って見え、素材の安さが目立たなくなる - 大型アートや観葉植物で視線を誘導
↳意図的に目線を集中させ、内装自体の質感から目を逸らす効果がある
インテリアは“後から足せる内装”です。視覚効果を味方につけて、空間全体の印象を格上げしましょう。
DIYでアップグレードする安全な方法
賃貸や管理規約が厳しいマンションでも、原状回復が可能な範囲で内装をアップグレードすることはできます。特にDIYはコストを抑えながら、自分好みの空間に仕上げられる有効な手段です。
手軽に取り入れやすいDIYの一例を表にまとめました。
対象部位 | DIYアイデア | 特徴 |
---|---|---|
壁 | 貼って剥がせる壁紙・パネル | 原状回復可能で雰囲気を変えやすい |
床 | クッションフロアや置き敷きフローリング | 床の安っぽさを隠しながら防音性もUP |
収納扉 | リメイクシートやハンドル交換 | 既存の扉を手軽に高見え仕様に |
DIYは自己責任が伴いますが、施工が簡単でリスクの少ない方法を選べば、初心者でも安全に取り組めます。作業前には賃貸の場合は管理会社へ確認を入れるのを忘れずに。

リノベーションで“自分好み”に再構築
購入済みのタワマンであれば、思い切ってリノベーションを行うという選択肢もあります。コストはかかるものの、内装の“しょぼさ”を根本から変えるには最も有効な方法です。
- フローリングの張り替え
↳無垢材や突板フローリングにすることで、質感が大幅に向上 - 建具の交換や塗装
↳ドアやクローゼットのリデザインで空間の印象が一新される - キッチン・洗面設備の刷新
↳水回りは生活感が出やすいため、最新設備にするだけでも清潔感が増す
また、フルリノベーションではなく“部分リノベ”という形で、1〜2か所だけを重点的に直すのもコストパフォーマンスの高いやり方です。たとえば玄関やリビングなど“第一印象”に関わる箇所から取りかかるのがおすすめです。
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